漫画家の山本さほさんが世田谷区から不適切な扱いを受けていたとして炎上しましたね
山本さほさんが被害者なのは間違いないのですが、炎上が過激になり晒し上げが酷いという意見もあるようだ
この記事を書いている井上トシユキさんの言っている事は正論である
単純に「晒し上げは人権侵害に当たる」と答えは決まっているからだ
しかし現時点で晒し上げを止める術は無いので、起きてから対応するしかない
この問題、とても闇が深く単純な話ではないのだ
山本さほさんの例
10月1日、漫画家の山本さほさんは世田谷区役所と仕事をすることになったのだが、その内容が酷すぎたそうだ
区役所と仕事したまんがです。 pic.twitter.com/dIjeba0dix
— 山本さほ (@sahoobb) 2018年10月2日
世田谷区役所側の問題行動はこのようになっている
- 事前に送ってあるデーターを紛失
- 役所側の間違いによって発生したキャンセル料をギャラから差し引くと発言
- 責任を山本さんに押し付けようとする
- 話をそらす
- 元々、山本さんのギャラは予算から場所代を差し引いたものだった
- 「まんがの図書館ガリレオ」がダブルブッキングの被害者に
どうでしょうか、世田谷区役所の仕事ぶりに呆れてしまいますよね
実話なのかを疑うレベルに酷い
山本さんはこの話を漫画にしてツイッターに投稿、瞬く間に拡散して10万リツイートを突破し大炎上
そして区役所にも抗議が殺到したようで、世田谷区長がツイッターで謝罪ツイート
オーストラリアの姉妹都市交流のプログラムで、漫画家の山本さほさんに御協力をいただいたワークショップのことで、管理職に事実確認をしました。ダブルブッキングで生じたキャンセル料を謝礼から差し引く等の発言をしたことがわかり、山本さん他関係者に多大なご迷惑をかけたことをお詫びします。
— 保坂展人 (@hosakanobuto) October 3, 2018
担当の上司が山本さんに謝罪をする流れになり事態は収拾になるかと思われますが、炎上を続ける一部の人は問題の職員の本名や顔写真を特定しようとしています
「特定された」って情報がチラホラ見えますが、確証が無いのでここでは載せません
これまでの炎上と同じで本人同士が解決しても炎上を続ける人たちがいるので、なかなか終わりません
井上トシユキさんはこの流れを懸念しているわけです
問題が当人から一人歩き
山本さんと世田谷区との問題なので、当人同士で解決した時点で炎上する必要は無くなります
しかし起きた問題そのものが許せない人たちが沢山いるのです
これが過激化すると「ネット私刑」と呼ばれる晒し上げに繋がるのです
井上さんは「背景に格差社会」としていますが、私はそれだけでは無いと思うのです
ただの鬱憤晴らしという単純なものではありません
格差社会以外にも「おかしいだろ」と思う事は多いはず
公務員の問題、芸能人の問題、未成年者の問題などなど「処分が甘い」と感じることはあるんじゃないかなと
今回の件だって問題の職員は大した処分にならないでしょうし謝罪もありません
芸能人なんか罪をおかしても「涙の復帰」と称して戻ってきます
未成年者が凶悪犯罪をおかしても「更生」が優先されるので時が経てば出てきます
政治家なんか無法地帯レベルです
このように被害者よりも加害者が優遇されているような状態になるので、罪に対する怒りが強くなってしまうのです
ブラック企業も法律違反なのに未だに多く存在しています
日本は法事国家として機能しているのか疑問なわけです
ちゃんと裁けない現実に対する怒り、今記事を読んでいるあなたも感じたことがあるんじゃないでしょうか?
社会が健全に機能していないのも原因があると思うのです
ネットだけではない「私刑」
炎上して個人を晒し上げる行為、褒められるものではありません
しかしマスコミには言われたくはありませんよね
ネットが普及しなかった時代、散々人のプライベートを報道して人生を狂わせておいて、同じことをネットでやれば批判をしてくるマスコミはマスゴミですよ
被害者を連日報道して更に関係者を苦しめる行為は「人のやることじゃない」ですよ
マスコミは被害者晒しが非常に酷いのに対して、ネットは加害者晒しが非常に強い特徴があります
どちらに共感しますか?
おそらくネット側に共感する人が多いんじゃないかなと
共感者が多いのも「ネット私刑」が無くならない理由でしょう
ネット私刑がなかったら?
山本さんの問題がもし炎上しなかった場合、世田谷区がこんなに早く対応したでしょうか?
たらればの話にはなりますが、これまでの役所対応を考えると適当に対応して無視すると思うのですよ
炎上したほうが対応が早いのは事実でしょう
つまり炎上はある程度効果があるのです
- 「警察行っても取り合ってくれない」
- 「相手の立場が強すぎる」
- 「訴訟する金も無い」
- 「泣き寝入りしかない」
こういった弱い立場の人たちが強い立場の人に、一矢報いる方法のひとつがネットで晒す行為なのです
弱者が強者と争うのは容易ではありません
まして被害者ならば精神的苦痛も大きいでしょう
そうした背景があるから「ネット私刑」と呼ばれる晒し行為が無くならないし批判も少ないのです
社会構造上仕方ないんでしょう
学校での体罰問題だってネット晒しのおかげで多くの人に問題を周知することが出来ます
理不尽な体罰で苦しんでいる学生がそれで救われる現実があるのです
もちろん加害者は退職に追い込まれるわけですけど
しかし体罰は本来やってはいけない違法行為なので同情の余地はあんまり無いかなと
まとめ
私としてはネット私刑は止めることは出来ないと考えています
「法事国家なので私的制裁はアウト」なのは十分承知しているのでオススメは出来ません
しかし泣き寝入りをせざるおえない人たち、弱い立場の人たちが救われる手段にもなってしまうので一丸に否定出来ないんですよね
日本って弱者に優しい社会ですか?
弱者が救われない社会ならば、それに代わる手段が生まれますよね
それが「ネット私刑」なのでしょう
「大人の対応」とか「我慢・辛抱」ばっかしていても、幸せになれないし不幸になってしまうのが今の日本なのでしょう