友人からの紹介で、ある日本舞踊の舞台での音響を頼まれたトモーヌさん
うん、音響なんかやった事ないよ私は
でもなんとなくのノリで頼まれてしまいOKしました
って事で今回はこのお話をします!
頼まれてからリハーサルまで
事の発端は私の友人からのLINEである!
友「知り合いの舞台の音響お願いしたいんだけどOK?」
私「音響なんかしたことないぞ」
友「大丈夫やって、カセットテープを再生するだけだから」
私「!?・・・え?どゆこと?」
友「音楽しているなら大丈夫だって」
私「仕方ないな、いいぞ(どうなっても知らんぞ)」
っとまあこんないい加減なノリで引き受けてしまったのである
10月入ってまもなく「リハーサルがある」と友人から連絡が来て、私と友人はリハに参加した
そこで日本舞踊の家元と参加者と顔合わせする
皆さん気さくな方々で和やかな雰囲気でリハが始まった
ここで私の仕事について説明を受ける
要はこんな感じだ
- プログラム通りにカセットテープを再生する
- 音量調節は私に任せるとのこと
- 全てのカセットのA面に曲が録音されている(30本くらい)
※ちなみに友人は照明と緞帳担当である
・・・おい!
このご時勢にカセットテープかよ!冗談かと思ったわ
今時の子は知らないだろ!
カセットテープを現役で使っていた人は、もういい歳になっているんだぜ
ほら、テレビの歌番組をラジカセで録音していた人いるだろ!?
家族に「今静かにしてて~」って言いながらよ!
今の世代の子は知らないだろうけどな、20年くらい前までは空のカセットテープにラジカセで録音していたんだぜ!マジで
CDはあったけどCD-Rが普及してない時代なわけで、録音しておく媒体がカセットテープしかなかったのよ
ラジオを録音したりしてさ、オールナイトニッポンを聞くのが好きな人も多かったはずだ
とてもノスタルジックに感じましたね、はい
てかさ、カセットテープってアナログもいいところだろ!
って思いつつリハーサルは順調に進んだ
基本的にカセットを再生するだけだから簡単だし、音量などは調整したのをメモしておけばOKな感じだった
そんなこんなでリハも終わり、家元達とご飯を食べに行くことになった
数人で街中の居酒屋に行き、話は盛り上がり楽しいままその日は終わったのだ
本番の日
リハから1ヶ月ほど経ち、本番の日を迎える
開演1時間前に現場入りして打ち合わせ
・・・打ち合わせといってもプログラムの確認と細かな段取りのメモを渡され、30秒ほど口頭で指示を受けただけである
うん、不安しかない!!!
友人は緊張のあまり話を全く聞いていない状態だ
「これは頼る相手がいないパターンだな・・・」
そう私は悟ったのである
演目で使用するカセットは31本全て揃っており、関係者から「全て巻き戻し済みです、A面に全部入っていますので」と言われた
そんなこんなで開演時間が来た
友人がブザーを鳴らし、アナウンスを流す
開演前の注意事項などの案内するアナウンスだ
プログラム1番からスタート
とりあえず問題なく手順通りに進んでいった
プログラムが9番目くらいにくると慣れからかトモーヌは余裕が出来てきた
友人は相変わらず緊張状態だったので、小声で冗談を言ってあげて緊張を解してあげた
事件だ!
飲み物を飲みながら順調良く舞台は進んでいたが、ふと隣の友人を見ると焦った顔をしていた
私「どうした?」
友「照明のボタンの色が変わっている」
私「え?どういう事?」
照明機材のランプの色が赤色だったのに緑色に変わってしまったというのだ
友「ヤバイ!どうしよう!つまみを動かしても照明が反応しない!」
焦ってあたふたしている最中、曲が終わってしまう!
(本来ならここで照明を落とし暗くしないといけない)
しかし機材が反応せず、照明が落ちない
友「うわーどうしよう」
私「ちょっとまて、施設の職員を連れてくる」
たまたま近くに職員がいたので来てもらい直してもらった
照明機材トラブルの原因は、友人が関係ないボタンを押してしまって全ての操作が無反応になっていたらしい
その後も緞帳を間違えて下げてしまったりしてトラブルが続いた
顔面蒼白の友人
可哀相である・・・
事件だ!その2
トラブルが続いてグダグダ感が出ていた矢先、またしても重大なトラブルが発生する
舞台後半のある演目での事だ
この演目ではカセットテープが二つある
簡単に説明しよう
1つ目のカセットの内容が、曲が3分くらいの後に台詞が1分ほど入る
台詞が終わったら2つ目のカセットを再生させる段取りだ
演目が始まり1つ目のカセットを再生し、演目が始まった
台詞のパートに入り私は2つ目のカセットをセットする!
もちろんセットする前にA面である事と、巻き戻し済みである事を確認済みだ
台詞回しが終わり2つ目のカセットを再生する!
曲が始まったが・・・その瞬間、家元が
「これ違う曲だよ!」と発言!
ええええええええ!?
私は「嘘だろ!?ちゃんと間違いなく再生出来ているはずだぞ!!!」
さすがに焦った、間違いなく再生できているのに違う曲が会場に流れてしまうのだから
急いでテープを止めてカセットテープを確認
「やはり間違っていない!間違いなくコレだぞ」と思ったら家元が
「これ逆だよ!B面に曲が入っていて巻き戻ししてないわ!」
おい!!!聞いてねぇよ!!!!
急いで巻き戻しをするトモーヌさん
その間、演目は中断中
舞台では役者がピタッと止まった状態だ
会場はガヤガヤし始める
「やべぇなこれは」
さすがのトモーヌもそう思った
約40秒ロスしてから曲がスタート
とりあえず演目は続いた
ここでこの舞台の雲行きが怪しくなった
グダグダのまま演目が終わり、最後の演目へ入る
最後の演目は無事に終わり、終焉する
片付けもあたふたして終わった
「お疲れさまー、もう帰ってもOKですよ」と言われ私と友人は会場を後にした
終わった後
私と友人は疲れ果ててしまい、報酬は貰ったが何とも後味の悪い感じになった
カセットの件は私が悪いのか?
最初に「全部巻き戻し済みでA面です」って説明を受けていた私に疑う余地は無いだろ
(中身確認する時間もありませんでした)
なのに私がやらかした感が漂ってしまったのだ
あれ?私ハメられた!?
後で発覚した事だが、問題のカセットテープは2日前に作り直したものらしいので私に伝達が出来ていなかったそうだ
ま、終わったことなので気にしないようにします
帰り道、友人に「喫茶店行こうぜ、グラタン食いたいんだよ!近場にあるからよ」と提案した
すると友人は
「いいよ、どうせなら俺のお気に入りの喫茶店へ行こう!グラタンもあるから」と言ってくれたので、車で移動する
友人行きつけの喫茶店に着き、メニューを見ると
・・・・・・
グラタンがねぇよ!!!!!
おい友人よ、お前も私をハメる気だったのか!?
グラタン食いたい私に何の恨みがあるのか知らないが、これは酷いだろ!!!
しかも私が提案した喫茶店は近場で尚且つグラタンが確実にある店だったのだ!!
舞台でハメられ、友人にハメられ
散々な日でした・・・
おしまい!!!