全世界で絶賛公開中の映画である『ボヘミアン・ラプソディ』
伝説のバンド「QUEEN」とボーカルの「フレディ・マーキュリー」を描いた作品である
私の好きなバンドの映画ということで観てきたのですが…
全然面白くない!
高評価ばっかりな中、私は低評価の立場で書いていきます
何を描きたいのか分からない
この映画、フレディを中心に時系列に沿ってストーリー描いていくのだが、如何せん何が描きたかったのか分からない
メッセージ性を一切感じませんでした
おそらく描きたい場面が多かったのか、色んなエピソードを抜粋して作っただけに感じるのだ
アニメで言うなら毎週の「あらすじ」の部分を集めて『総集編』って謳っているようなものである
なので各場面が非常に浅い
両親との関係、特に父親との確執がどんなものなのか分からないし、名前を変えるほどの動機が描かれていない
最後まで連れ添ったパートナーとの出会いからの展開の早さ、そのせいでフレディにとって最愛の人の人物像が見えてこなかった
公式HPでブライアン・メイが、
「これは伝記映画ではなく、硬い岩から掘り出されたような純粋なアートだ。家族や人間関係、希望に夢、悲観や失望、そして最後には勝利と達成感が、誰にでも共感できるような物語として描かれている」
と語っているように、要はごっちゃ煮の映画ってわけである
入れたいものを、見せたいものを、出したいものをとにかく入れて尺を合わせましたってだけにしか思えない
まるでディナーでコース料理を頼んだら一品目から一口サイズのカツ丼が出てきて、ハンバーグ、ステーキ、すき焼き、などを出されている気分になる
QUEENのメンバーが作品作りに参加しているのにこの構成は残念である
「どこにスポットライト当ててんの?」
「ただのダイジェストじゃん」
これが私の感想である
せっかくタイトルが『ボヘミアン・ラプソディ』なのだから、その作品が作られた頃から描いたら良かったのに
「史実と違う」という批判記事は既に色んな人が書いているので私は省略します
どれかにテーマを絞ればよかった
フレディの人生は1時間50分程度の時間で表現出来ないだろう
なのでどれかに焦点を当てればよかったのだ
- 人種差別
- 家族との関係
- バンドの人間関係
- エイズ
- セクシュアルについて
- 生涯のパートナーとの関係
これら一つでも内容の濃いものが作れそうなのに、この映画では全部入れちゃうので全てが中途半端になっている
なのでどれかに焦点を絞って、それを中心に描いてほしいと感じました
ラストも微妙
最後の『ライヴ・エイド』のシーンは正直しつこく感じてしまいましたし、終わり方も不完全燃焼感があった
「まだ終わんねーの?あれ?これで終わり?」って思いましたからね
どうせならそこは実写でいいじゃん
映像は悪くは無いが、背景が合成なのか役者達の映像と比べて背景(観客席)の画が荒いように思えました(CGかもしれん)
実際には演奏されている「We Will Rock You」が削除されているのも残念な点です
良い点もある
まあさすがに全てが悪いわけじゃない
まず音楽は最高である
昔の音源をデジタルリマスターでもしたのか分からないが非常に高音質で聴ける
家で聴くより迫力あるサウンドを楽しめる
そして役者の演技には驚きました
てか似すぎである
よくもまあ探してきたと思いますよ
フレディなんかは動きがソックリでよく再現出来ています
総合評価
音楽:100点
役者:80点
構成:-70点
内容:-100点
ってことで総合点は10点です(100点満点で)
私にとってもう一度観に行きたくなるような映画ではありませんでした
QUEENをあまり知らない人や、ライブの迫力を感じたい人は高評価かもしれませんね
でもそれって映画の構成や内容が凄いのではなく、「QUEEN」と「フレディ」のネームバリューと偉大さが評価を上げていると思うのです
なので「映画」としてはB級かなと
さいごに
散々ディスったが私はQUEENが好きだ
ってことで映画公開に合わせて「ボヘミアン・ラプソディ」のオーケストラ版を打ち込んでみた
良かったら聴いていってね
本当に好きな曲だから楽譜を書いていて楽しかったです