「美少女戦士セーラームーン」といえば、少女向けアニメの代名詞として有名ですが、実は男性ファンにも根強い支持を得ている作品です。当時の社会では「男の子はドラゴンボール」「女の子はセーラームーン」というように視聴者層が厳密に分かれていましたが、今となってはこの作品の持つ多層的な魅力が再評価されています。
本記事では、男性目線から見た『セーラームーン』の独特な面白さと魅力を語ります。
セーラームーンの魅力はまず初期シリーズから!
物語の魅力を理解するためには、まず無印からSシリーズまで観ることをおすすめします。
例えば、第1話「泣き虫うさぎの華麗なる変身」からは、作品の世界観やキャラクターたちのドラマが展開され、すぐにこの物語の奥深さに引き込まれるでしょう。
斬新な設定と年の差カップル問題
主人公の月野うさぎは中学1年生、一方、彼女の恋人である地場衛は大学生という、今の時代の価値観では物議を醸しそうな年齢設定です。衛は高級車アルファロメオに乗り、高価なマンションで一人暮らしをしており、まるで若きセレブのような存在です。
「前世の王女と王子が現代で再会し、戦いながら愛を深める」というロマンチックな設定ですが、現代の法律に照らすとちょっと問題がありそうですね。このような複雑な設定が物語に一種のスリルを与えています。
敵キャラの人間らしさがリアル
『セーラームーン』の敵キャラたちは、単なる悪役ではなく、人間の弱さや欲望が反映されています。仲間を平気で見捨てたり、利己的に行動する様子はリアルで、人間社会の縮図のようです。
特に初期のシリーズでは、敵キャラたちの裏切りや足の引っ張り合いが頻繁に描かれ、ただの善悪の戦いではなく、ドラマチックな展開が魅力です。このような濃密な人間関係の描写は、少年向けアニメではなかなか見られない要素です。
異様に長い変身シーンも一興
『セーラームーン』の代名詞といえば、長大な変身シーン。セーラー戦士5人分の変身が一度に流れると、まるで「トイレに行ってもまだ終わらない」ほどの長さになります。この大胆な演出が、以降のアニメ作品においても変身シーン=尺稼ぎという伝統を築きました。
印象に残る個性的な敵キャラたち
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プリンス・デマンド(Rシリーズ)
ブラックムーン一族のリーダーで、銀髪の美形キャラ。声を担当した塩沢兼人の演技が、彼のクールな魅力をさらに引き立てています。100点満点の少女アニメ敵キャラと言えるでしょう。 -
土萠教授(Sシリーズ)
狂気の科学者で、声は神谷明が担当。彼の登場シーンでは常に奇妙な笑い声やギャグが盛り込まれており、マッドサイエンティストの典型として記憶に残る存在です。 -
ユージアル(Sシリーズ)
ウィッチーズ5の最年長メンバーで、発明品を駆使してセーラー戦士に挑む姿が印象的です。ライトバンに乗って移動するなど、現実世界に存在しそうなキャラクターとして描かれている点も興味深いですね。
タキシード仮面の没落とギャグキャラ化
かつては頼もしい味方だったタキシード仮面も、物語が進むにつれギャグ要員に転落していきます。登場時に放つキザな台詞は次第にお笑い要素に変わり、空中ブランコで登場するという破天荒な演出には視聴者も爆笑したことでしょう。
まとめ:大人が見ても楽しめるセーラームーンの世界
『美少女戦士セーラームーン』は、表面的には少女向けでありながら、大人が見ても楽しめる深みを持っています。初期シリーズや原作を観ると、人間関係のドロドロした描写や、グロテスクな敵キャラの設定に驚かされるでしょう。
大人になった今だからこそ、その物語の本質や登場人物の奥深さをより楽しめるはずです。この機会に、ぜひもう一度『セーラームーン』の世界に触れてみてはいかがでしょうか?
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