日本の悪習ですね
この「お客様は神様です」という言葉は、約40年前に三波春夫さんが作ったものですが現代では間違った使われ方をされています
元々はこういう意味だった
三波春夫さん本人の発言を引用します
「舞台に立つときは敬虔な心で神に手を合わせた時と同様に心を昇華しなければ、真実の芸はできない」
「いかに大衆の心を掴む努力をしなければいけないか、お客様をいかに喜ばせなければいけないかを考えていなくてはなりません。お金を払い、楽しみを求めて、ご入場なさるお客様に、その代償を持ち帰っていただかなければならない。」
「お客様は、その意味で、絶対者の集まりなのです。天と地との間に、絶対者と呼べるもの、それは『神』であると私は教えられている。」
簡単に言うと、ステージ上に上がった自分と観客との関係、そして自分自身の心構えを説いているわけです
ちなみにこんな発言も
「自分はすべての人をお客様だと思っているわけではない。ステージを見に足を運んでくださる人だけがお客様だと思っている。そうした方々は『絶対者』だろう。ステージが〈天〉なら客席は〈地〉で、その天地の中にいる唯一の絶対者がお客様。そういう存在を〈神様〉というのだと自分は教わった」
「お客様は神様です」については、三波春夫オフィシャルブログでも説明がされています
ここから引用させてもらいます
三波春夫にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズなのです。
三波が言う「お客様」は、商店や飲食店などのお客様のことではないのですし、また、営業先のクライアントのことでもありません。
しかし、このフレーズが真意と離れて使われる時には、例えば買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。お客様は神様でしょ?」と、いう風になるようです。そして、店員さんは「お客様は神様です、って言うからって、お客は何をしたって良いっていうんですか?」という具合。俗に言う“クレーマー”には恰好の言いわけ、言い分になってしまっているようです。
このように書いてあるので、今現在の使われ方が間違いであると言えるでしょう
というか、本来の意味がこのようなものだって知らない人もいるんじゃないでしょうか?
あまりにも誤用が酷すぎた
「お客様は神様です」という言葉を悪用し、横暴な振る舞いを行う人間(クレーマー)が目立つようになりましたね
昔からこういう類の人間はいましたが、近年のネット普及によりSNSなどで露見するようになりました
コンビニの定員に強要する場面を自分でアップし炎上したパターンや、横暴なクレーマート遭遇した人が撮影しアップするパターンなどなど
店からのサービスに対して「客だから当たり前だ!」って態度をとる者、「お客様だから」と思考停止して過剰なサービスをする企業
労働者が割を食う状態になり、客より立場が下という認識がまかり通るようになったわけです
ブラック経営に繋がる要素です
さらに付け加えると日本は形の無いサービスへの対価を払うという考えがありません
いわゆる「おもてなし」に対する対価ですね
無償ってイメージのが強いんじゃないでしょうか?
チップ文化が無いので仕方ないのかもしれないけどね(チップ渡す人はいるけど少数派かと)
これらの事柄が背景になっており、労働者側の立場を弱くしていると言える
よって神様であると勘違いした客が横暴な態度を取ってしまう
基本的に店と客は対等な立場であるべき
元々売り買いというのは双方納得の上で行われるものですが、売買成立するには商談し信用を得る必要がありました
なので店側としては「売らない!」って選択肢があって当たり前で、客は「買わない」って選択肢があります
そこにどちらが立場が上なのかというのは原則存在しないわけです
存在するケースとしては「多額の取引を成立させたい」っていう欲に駆られたり、財力に屈したりする場合かなと
倫理的に問題があると思いますけどね
なのでコンビニの場合だと、無茶苦茶な要求をする客に対しては「お帰りください」と言える権利があるのですよ
応じなければ警察に通報でOKです
ん?
それでも「客なんだからある程度言う事を聞くべき」だって???
あのね・・・
店にだって客を選ぶ権利があるんです
クレーマーは疫病神と同じです
客は決して偉い立場ではありません
悪質な人には毅然とした態度で臨むべきですな
まとめ
言葉の独り歩きというのは悲しいものですね
伝言ゲームのごとく本来の意味が変わって伝わっていきます
三波春夫さんが今生きていたらどう感じるんでしょうね?
客に対して謙り過ぎるのは良くありません
クレーマーに対して屈してもいけません
こういうのが普通になるとマナーの良い客が迷惑します
だって「悪質でも声が大きいほうが得する世の中」になってしまうから