2016年、青森の中学二年生の子が自らの命を絶った事件がありましたね
報道されてからすぐに加害者生徒の名前と写真、住所などの情報がネット上にアップされて話題になりました
ここ最近にこの事件の加害者の情報を晒しているのを発見して、今回の記事を書こうと思いました
今日のテーマは「イジメへの報復は正しいのか?」です
何故晒し行為をしてしまうのか
ネット上で加害者の個人情報を晒す人たちの原動力は「許せない」が多いかなと思います
怒りで心を動かされて晒しに加担してしまう
「何となく興味があるから」と強い理由も無く晒しに参加する人もいるでしょうけど、基本的には感情的に許せないから晒すと私は思うのです
とはいえ加害者が既に何らかの制裁を受けていれば、晒し行為のような私的制裁は必要ありませんし本来すべきではない行為なわけだ
しかし人は晒し行為をやめれない、何故でしょう?
日本の場合、被害者の個人情報は報道するくせに加害者の実名報道は全くと言っていいほどありません
「加害者は生きているから人権がある」
こういう考えがあるのでしょう、確かにその通りです
では被害者遺族への救済はあるんでしょうか?
一応遺族給付金という制度はありますから、金銭面ではある程度の救済は可能です(満足はしないだろうけど)
「金を払ったら良いとはいえない」
そう思う人も多いでしょう
学校側の対応の悪さも起因しています
ほとんどの学校ではイジメ問題に真剣に取り組みません
事が大きくなる事を恐れるのでなるべく無かったことにしたいわけです
こういう姿勢が晒し行為への原因の一つです
では加害者の反省度が重要なのでしょうか?
確かに全く反省もせずのうのうと日常を過ごしていたら怒りが込み上げてくるでしょうけど、反省をしているからといって亡くなった本人は帰ってきません
それに反省って言うのは簡単ですが、加害者が本当に反省しているかどうかは加害者本人しかわかりません
加害者の態度で「反省しているね」と周りが勝手に決めているに過ぎない
色々考えてみましたが、晒し行為は「抑えられない怒り」が原動力であり、理由が分かっても止める術はありません
この怒りの要因が被害者よりも加害者を優遇してしまう仕組みであったり、「反省」という確実性が薄いもので万人が理解出来るものではないことかなと
加害者になった時点で刑法上は問題なくても一般的には悪い奴ですから、「ある程度叩いてもいいだろ!」となっちゃうわけだ
怒り+相手は悪い奴+反省してるか不明=晒してもOK
こんな式になれば止めれませんよね
晒し行為もイジメである
といった意見が散見される
事件と関係ない人たちが加害者を寄ってたかって晒しまくって追い込むのは一見イジメ行為なんですよね
「被害者の無念を晴らしたい」
「単純に許せない」
こういった感情から行っていると仮定したとしてもやってることそのものはイジメですが、因果応報って言葉があるように「同じ痛みを与えたい」という考えもあるわけだ
被害者側が何も動かなければ闇に葬られるであろう状況で正攻法では加害者に強く制裁を与えれない
そうなった時、誰かが晒し行為をして追い込めば同じ痛みを与えれる
憎しみの連鎖って言われたらそれで終わりなんですが、イジメにイジメで返すのは一つの方法なのかなと私は思うのです
良くない方法なのは間違いないけどね
やり返されても仕方ないよねって感じです
被害者が亡くなってしまうと「死人に口無し」ですから、第3者が被害者の無念を晴らすしかありませんしね
イジメに対抗するには力しか無い
学生時代や社会人生活の中でイジメは身近に起きています
イジメは基本的に被害者に対して多人数の加害者であることが多いので、最初から不利な状況なんですよ
無視しても何かされる、抵抗しなければ何かされる
教師や学校が強くあってくれればここで解決が可能ですが、教師達に期待できない場合は親しかありません
しかし普通に抗議しても取り合ってくれなかったり、加害者側の親が「ウチの子はそんな事をしない」と反論してきたりと解決まで時間と労力を費やします
なぜ被害者側がここまで頑張らないといけないのかと疑問ですけどね
正攻法では無理(に近い)な場合ならば被害者は泣き寝入りしか無くなってきます
・・・泣き寝入り以外なら証拠を揃えて訴えるか、多少グレーな方法しかありません
晒し行為はグレーな方法の一つです
一番ダメージを与える方法は、イジメの映像や証拠を全て押さえてネットで晒して炎上させることかなと
あ、もちろんリスクは非常に高い行為ですよ
社会的な責任っていってもたかが知れたこと、決定的に勝てる方法はこういうやり方しかないかなーって
今の日本の教育現場にイジメ問題を解決する力はありませんし、日本という国は被害者に厳しい風潮があるのでますます期待出来ない
それだけモラルがあって頭の良い人が少ないって事なんでしょうけどね
だから力で対抗するしかないかなというのが正直なところ
ま、体鍛えて物理的に抵抗するのも手ですが痛みわけになってしまうことがあるのでオススメは出来ません
だったら証拠を沢山抑えて、多くの人に拡散するほうが良いでしょう
世の中にイジメ問題を解決する力が無いという皮肉な現実なのです
ついでに言いますけど「イジメ」って言葉は間違えてますよ、暴行や傷害といった言葉にすべきです
かつて報復を目的にしたサイトがあった
ある人物が運営していたかつてのサイトです
このサイトでは少年法を無視して少年犯罪の加害者を実名掲載や個人情報を掲載していました
彼は自分なりの正義を元にこういうサイトを作って運営したのです
台湾のサーバーを使っていたので日本の法律外だったので当時は警察なども手がつけれなかったのです
そのおかげでサイトは流行ってしまい、あっというまに加害者の個人情報が拡散されてしまいました
今はツイッターなどで瞬間的に拡散しますが、専門のサイトってなかなか無いんですよね
「被害者が亡くなった以上は一生許さない」
こういう思いが伝わってくるサイトで私も当時はよく閲覧したものです
いつしかサイトは閉鎖されてしまい、管理人が何者なのかは今日まで分かっておりません
彼の考えを支持する人たちがアーカイブを保存しており、誰もが閲覧できる状態です
つまり彼のようにイジメを初めとした事件を許せない人がそれなりにいるってことです
方法が手荒いのは確かですが、国や教育機関が被害者の支えになっていないからこういう人たちが生まれるんじゃないかなって思うのです
さいごに
私としては被害者や第3者が加害者に対して報復を行うのは致し方ないと考えます
無論、道徳的や倫理的、社会的にはよろしくありません
しかし今現在の日本では被害者が割りを食う状態であり、加害者のペナルティが少ないのです
「何を持って少ないの?」
そういう疑問が出るでしょうが、こういう場合は感情が優先されますし主観で判断しているので関係無くなっちゃうのです
もし被害者への救済が充実していれば、私的な制裁をする人間も減るかと思うのです
「これじゃ被害者が浮かばれない」
こう考える人が一定数以上いるから晒し行為を初めとした報復が行われるんじゃないかと
イジメを始めると決して終わらん戦いになっちゃうのですよ
止めるには誰かが我慢しなくてはいけない、頑張らないといけない、行動しないといけない
ここは法律や教育だけではどうこう出来ない問題なのかと