トモーヌのひとりごと

レゴや音楽、政治などを扱う雑記ブログ

少年法廃止!と言う前に少年法ついてよく考えてみよう

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未成年による犯罪、大人と同じように裁かれるわけではなく少年法によって扱いが変わります

2000年に改正されて、刑事処分の可能年齢が16歳以上から14以上に引き下げとなった

しかし14歳未満の犯罪については刑事処分の対象ではない

 

ネット上で中学生による暴行事件が話題になっております

実行犯が中2とはいえ年齢が13歳なので、刑事罰の対象から外れる可能性があるのではと言われていますね

もちろん大炎上で「未成年だとしても裁くべき」という論調が強いです

私も「少年法を今よりも厳しくすべき」と考えております

・・・が、その前に少年法について今一度考えてみたいと思います

少年法の目的

皆さんは少年法についてどんなイメージを持っていますか?

おそらく「甘い」や「加害者に手厚い」ってイメージが強いんじゃないでしょうか?

少年法の目的は「少年の保護更生」です

純粋に刑罰を下すのではなく保護更生を一番にしており、量刑についても成人よりも緩和されます

例え極刑に値するとしても無期刑にしなければならないと決められています

よく言われる「何しても死刑にならない」という言葉はこれが根拠なのです

 

成人よりも罪を緩和し、社会復帰に重きを置いて更生することが少年法の目的であり意義なのです

故に「罪を犯した少年を裁くべきだ」と言う意見は少年法の目的と違うので、当然のことながら裁くのではなく更生に向かうことになるのです

少年法を厳しくすると起きる問題

少年というのは10代の若者です

未成熟で道を外しやすいし悪い影響を受けやすい

そんな年齢の時に家庭裁判所や少年院への措置ではなく、大人と同じ刑罰を加えて長い時間刑務所行きにした場合、出所しても社会不適合者になる可能性があります

学校も行っていない、社会のいろはを覚えずに大人になってしまった元少年が真面目に社会生活を営めるでしょうか?

出所しても働き口も無く、身寄りもなければ反社会組織に入ったり犯罪に走ったりする可能性が高いでしょう

そうなるとまた新たなる被害者を生むことになる

そうしないためには更生させるのが現実的であり効果があるわけです

実際、18歳くらいの年齢なら立ち直りの可能性が高いと調査官経験者が発言しています

www3.nhk.or.jp

起こしてしまった罪は償い、更生して社会復帰することで悲劇を繰り返さないようにしたいという思いが伝わってきますね

全体を見て考えるならこの考えは正論でしょうね

あくまでも少年法は加害者少年の保護更生が目的なので

少年法の致命的欠点

少年法の目的は理解出来ましたが、致命的欠点も浮き彫りになってきましたね

  • 被害者の保護との差
  • 悪用する少年の発生

被害者の保護、「少年犯罪によって被害を受けた方のための制度」で被害者が受けれる制度は以下の通り

  1. 少年事件記録の閲覧・コピー
  2. 心情や意見の陳述
  3. 審判の傍聴
  4. 審判状況の説明
  5. 審判結果等の通知

とまあ、被害によってはフラッシュバックしてしまいそうなものがありますね

何というかパッとしない制度ばかりで、加害者との扱いの差を感じます

保護更生が基本と考えたら納得出来ますけど

被害者の保護について建設的な議論が必要であると断言します

 

「捕まっても少年法で守られる」と非行少年が調子に乗って発言することは珍しくはありません

実際のところ少年法って割とウザイ法律で、例えば夜中歩いていたら補導されるし成人オンリーの店舗に行けないし、よくよく考えたら行動に制限がかかるものなのです

しかし非行少年はそんな制限なんか気にせず「少年法が守ってくれる」と思うのです

これは未成年故に成人の社会生活が未経験であることと、少年法によって措置された経験が無いためにイメージで判断していることが要因です

体験した事が無いからこそ、少年法の都合が良い部分しか見ていないのです

良い部分だけ抜粋して空想上の少年法を作りだしてしまっているので、「少年法で守られるんだ」と発言してしまうのです

これはイメージが問題なので、学校教育でよく教えるべきであると断言します

あまり知らないから馬鹿にするんですよ

これでは保護更生の目的が達成出来るのか怪しくなるでしょう

少年法の存在が私刑を生み出す

中学生の暴行事件を見て皆さんも分かるでしょうけど、日本のネット上では私刑が横行しています

倫理的に問題があるので良いとは言えませんが、被害者のことを考えると止める気にならないのも事実

私刑を生み出す原因は「いじめと同じ精神状態」「行き過ぎた正義感」が考えられますが、私は加害者に甘い少年法がおかしい」もあると思うのです

このまま行けば13歳だから、刑罰はおろか少年院すら行かずに済むかもしれない

それで納得出来ますか?

まあ、民事訴訟を起こせばある程度戦えるでしょうけど、損害賠償を勝ち取っても加害者側に金が無ければ徴収出来ないし、そもそも訴訟を起こせば被害者側に負担がのしかかるでしょう

そうなると「私刑しかない」となってしまうのですよ

実際、SNS上を見ているとほぼ全員が「少年法を無くせ!改正しろ」です

多くの人がこう考えている中、加害者の少年が少年法によって裁かれなかったら間違いなく私刑が酷くなるでしょう

 

大人と同じ刑罰を与えれば多少は抑えれるでしょうけど、残念ながらゼロには出来ないので「刑罰を与える」が完璧な解決方法では無いでしょうね

まとめ

少年法をよく読んでみると、基本的に未成年は制限が多い分、道を外した時に保護更生をさせてもらえる立場であるということが分かります

しかし被害者側と比べて差があり、弱者に寄り添うものではないから納得出来ない人が多いのです

「少年法の存在が私刑を増やす」

こうなってしまうのは残念な事ですが、被害者軽視を解決しなければ私刑を無くすことは不可能でしょう

 

加害者を攻撃する人に正論を振りかざしても無駄です

だって「弱者を救わない正論なんか聞きたくない」からです